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B「……ねえ」
A「……」
B「ねえってば」
A「……」
B「(あーコレはあれだわ。ゾーン入っちゃってるやつだわ。今日はえらく気合い入ってたかんねー。
ま、ウチらの地元じゃめったに見れない雪だし。夢中になって撮るのも無理ないかぁ。
……でも、雪がひどくなる前に旅館戻りたいなぁ。この子風邪ひきやすいし。なんで雪の風景撮るためだけに、こーんな寒いところに来ちゃうかなー。それに撮影しにくいからって帽子も手袋も着けてないし。アタシはばっちりモッコモコのコート着て、帽子と手袋も着けてきたかんねー。ふふーん。風邪ひいても知らないんだから。……寒いって言ったら、貸してあげてもいいんだからね。うーマジ寒い。……近くに自販機、あったかな？
それにしても、幼なじみのワガママに付き合って、こんなとこまで付いてきてあげるアタシって、マジ偉くない？ 腐れ縁ってヤツ？ こんな地味で、何度言ってもコンタクトに変えなくて、パーマもカラーも入れてないさらっさらの黒髪で……ベースメイクだけでも超美少女だし、唇もキスしたくなるくらいやわらかそうだし、ほっそい手でごついカメラ構えちゃって、真剣な顔してるところなんてギャップでときめいちゃうし、良い絵が撮れてちょっと嬉しそうにするところも最高だし、とにかく可愛いまじヤバイ好きすぎる、いつまで眺めてても飽きない。でも戻らないと、風邪ひいてほしくないしさ。でもでも、ずっとこうしていられればいいのに。あぁ、帰りたくないなぁ……」
A「……全部、きこえてるから」
B「えっアタシなんか言った？ それよりさっさと帰ろうよー。アタシ、ショッピング行きたいんだけど。あんたの用事に付き合ってあげたんだから、次はアタシの番！」
A「あと少しだけ、お願い」
B「ちぇー、わかったわかった。ちょっとだけだかんね！」
A「ありがと」
B「コーヒー買ってくるから、動かないでよねー」
A「うん」
A「……」
A「ほんとうに、かわいい人」
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