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「まずこの隈。ちゃんと寝ていないでしょう。睡眠時間が不十分なのか、或いは質が良くないですね。それから少し痩せ過ぎです。ちゃんとしっかり食べてください」
「え?あ、すいません…?」
何故僕は先程知り合ったばかりの若者にこんな風に説教されているのだろう。さっきの月の発言と言い、彼はいまいち掴めない。まぁこんな変てこな店の店主と来れば、変てこで当たり前なのかもしれないが。
「じゃあとりあえずこちらに。二階が生活スペースなんですよ」
「………へ?」
にこっと爽やかに笑った青年は僕の手を引いて部屋の奥へ奥へと進む。何故だろう。別に振り切ろうとも思わなかったけれど、繋がれた手は絶対に離されることがないような気がした。
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