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「瞬」
今度は、小さく言った。聞こえるか、聞こえないかくらいの小さな小さな声で。
そして、音には出さず唇の動きだけで伝えた。
キスして、いいか?
頷く代わりに、背伸びしてくる瞬が可愛い。瞼は閉じられていた。
恭介は、その薄い瞼を優しく指の腹で撫でた。
そして二人は、唇を重ねた。
まるで、小鳥がついばむようなソフトで軽いキスを何度も繰り返した恭介は、やがてそろりと舌を伸ばした。
首に角度をつけて、瞬の咥内へ舌を忍び込ませた。
「ぅん……」
鼻に抜けるような、うっとりとした瞬の声。応えるように、愛してる、と囁くと、恭介の体に回された彼の腕に、軽く力がこもった。
滑らかに舌を躍らせ、互いに慈しみあった。
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