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「あの、な。恭介」
「ん?」
瞬はもう一度、昨夜のように眼を逸らし頬を染め、髪を弄って照れながら言った。
「今夜も、泊まってくれないか?」
こくり、と恭介の喉が動いた。
「瞬、それって……」
うん、と瞬は眼を逸らしたまま頷いた。
願ってもない申し出だが、と恭介は顎を撫でた。
(セックスしなきゃ眠れない、なんて思考に陥ったら可哀想だな)
確かに毎日でも、この愛おしい体を抱いていたい。
だが当の瞬が、不幸な状態にあるのは耐えられない。
「いいぜ。今夜も泊まる」
「あ、ありがと」
ホッとした瞬の顔。
しかしその一方で、情事への羞恥も抱えている。
「このままじゃ、いけねえよな」
アイスティーのグラスをキッチンへ下げながら、恭介はまだ寝室にいる瞬に思いをはせた。
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