夢で逢いましょう

22/24

83人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「あの、な。恭介」 「ん?」  瞬はもう一度、昨夜のように眼を逸らし頬を染め、髪を弄って照れながら言った。 「今夜も、泊まってくれないか?」  こくり、と恭介の喉が動いた。 「瞬、それって……」  うん、と瞬は眼を逸らしたまま頷いた。  願ってもない申し出だが、と恭介は顎を撫でた。 (セックスしなきゃ眠れない、なんて思考に陥ったら可哀想だな)  確かに毎日でも、この愛おしい体を抱いていたい。  だが当の瞬が、不幸な状態にあるのは耐えられない。 「いいぜ。今夜も泊まる」 「あ、ありがと」  ホッとした瞬の顔。  しかしその一方で、情事への羞恥も抱えている。 「このままじゃ、いけねえよな」  アイスティーのグラスをキッチンへ下げながら、恭介はまだ寝室にいる瞬に思いをはせた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加