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しかし、と恭介は眉間に指先を置いた。
それにしても、今夜の瞬は可愛すぎる!
バスから出てきた恭介と向き合った瞬は、彼を正視できないほどに恥ずかしがっていたのだ。
「あの……、読んだ?」
「え? あぁ、うん……」
「そう……」
眼を逸らし頬を染め、髪をいじって照れている。
(これは本当に、おセッセしましょう、という事かもしれない!)
それでも5割上等くらいの気持ちで、恭介は瞬に腕を引かれて寝室へ入った。
寝室へ入ってベッドに上がって、さて、といったところで、瞬は一冊の本を渡してきた。
「これ。しおりのところを読んで」
「ぅん?」
ベッドマナーでも書いてあるのかと思いきや、単なるミステリだ。これなら読んだことがある。
「ん? お前、これは俺が貸した本じゃなかったか?」
「そう? 返してなかったんだ。ごめん」
「ったく……」
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