迷い込んだのはウサギの国。

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秋が過ぎ、マフラーが必要になってきたある日の事私はいつもの通学路をスマホをいじりながら歩行していた。 フラフラとバランスのない足取りで近道の公園の通りへ出るとその場で足を止めた。 「え 明日のイベントみんな参加できないの?」 スマホの画面には、ごめんというメール文と謝る形のスタンプ。 私はギュッと顔を歪ませた。 まさか当日となっていきなり全員にドタキャンされるとは思わなかったと、私は、頭を悩ませる。 「どーするのよー もーう、」 私は諦めの息を吐き“大丈夫”と打ち込むとスマホの電源をおとす。 乱暴に入れたカバンの中からは光る小さなものが道に転がって行った。 「あ、 なっちゃんに貰ったやつが」 私は急いでその後を追う。転がって行ったのは、友達が旅行に行ってきて、お土産でもらったウサギのお守りだった。 この前、ストラップの紐が切れてしまいカバンの中にしまっていた物ですっかり忘れていた。 「あーぁ どこに行っちゃったんだろう」 スマホに気を取られ過ぎていて気づかなかったが、辺りは薄暗くなっていた。 いくら光るものとはいえ、光は弱く薄暗い場所ではその光は全く役にたたなかった。「どうしよう せっかく貰ったのに」 シルエットも可愛く結構気にっていたのだが、いくら探しても見つからなかった。 「はぁ なっちゃんごめんなさい 無くしちゃった」 一人謝罪の文を涙目で述べるとかすかに光るものを見つけもしやと思いその光る物に近づく、 「あ あった!」 ウサギのストラップは木の根の元にある大きな穴の中に引っかかっていた。 私は、思わずカバンを下ろすと腕をまくり体の半分を穴に入れストラップへ手を伸ばす、 ウサギのストラップがあと少しと指先にかすると私はもっと身を乗り出した。 ウサギに指が届いた瞬間だった後ろから誰かに押される感覚があり私は穴に真っ逆さまに落ちてしまう。 すぐあとに、体を一瞬にして覆い尽くす水に私は身を固めた。どうやら水の中に落ちたみたいだった。 驚いて水をかき上げ、水面へと向かう、思いのほか制服が重く泳ぎにくい。 息が切れてきて視界がチカチカしてきた時、私は何かに引き上げられ、水中から引き上げられた。
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