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数分経つと複数の足音が聞こえてきた。周りの人達も足音を耳にすると着々と起き上がり騒ぎ始めた。
まるで動物のような姿に、呆然としてしまった。
近くにやってきたのか誰かの鼻歌が聞こえてきた。それと同時にかすかに鉄の匂いも香って来る。
私は、鼻を抑え心細くなり人の陰に隠れる。
やってきたその人物の陰が牢屋の前に現れるとまたいっそう鉄の匂いが強くなった。
「ひっ!」
私は、そっとその陰は目を向けるとその人物の頭にはウサギの耳が付いていて、それよりも一番視線が釘付けになってしまうのは、血だらけのその姿だった。
そして片手には血だらけになった大きな斧が握られていた。
私は、必死に震える体を両手で抑えた。
ガチャッと鉄格子が開く音が高く鳴り響く。
恐る恐るその人物へ視線を向ければ、先ほどの女性が髪を掴まれ引っ張り出されていく姿が目に映った
「あーぁ 暴れないでよ~、これだから“野生”は躾けられてないからやだよね」
そう語った人物は、不気味な笑顔を女性に向けると持っているその斧を振り下ろす。
舞った血しぶきは、その周辺の床とその人物のを赤く染めた。
「ぁ"あ"ぁヴ がぁ" あ」
その光景はあまりにも酷く切断された手足はそのまま床に放り投げたまま呻くその女性を引きずっていく。
今になって気づく、気づくのが遅すぎだ。
彼女は喋らなかったのではなく喋れなかった、言葉を知らなかっただった。
同時に、気づいた事は、この世界は自分のいた世界ではないという事。
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