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「は はい」
私はそんな言葉をかけられると駆け足で微妙な距離を保ちながら歩いて行く。
どこに向かっているのかはわからず、その場に逃げてしまおうとも思ったが斧を持って遠慮無しにそれを振り下ろす人物だ。
そんな事をしたら一瞬で木っ端微塵にされてしまうだろう。
「逃げようとは思わないでね、カーペット血で汚すと怒られるんだ」
それを裏付けるように彼はそう言いながらスキップしそうな勢いで歩いて行く。正直言えば彼の足はめちゃくちゃ早い、私は今ほぼ走って追いかけている状態だった。
その飛び跳ねるよみむむめむもゆうに歩く姿はウサギを想像させる歩くたびに頭の上に生えたウサギの耳が揺れたまにピクピクと動いている。
「さて ついたよ。汚い格好だし臭いしちゃっちゃっとおふろ入っちゃってね」
そう言い残すと彼はそのまま近くにある豪華なイスに腰掛ける。
私はそっと彼の様子を伺いながらお風呂場に入り込む。お風呂場には大きな浴槽には湯気がたっていた
お風呂場には窓は無く完全な密室だった。
私は項垂れると服を脱ぎ捨てた。
脱いだ服が濡れないよう端に置くと私は広い浴室を見渡した。
天井には彫刻が彫られていて、白い柱が数本たっていた。
その場にあった石鹸からは薔薇の香りが漂って来た
「やっぱり ここはお屋敷にしては、広すぎる」
まず屋敷に牢屋なって付いているのだろうか、人を閉じ込める趣味を持っている人以外は一般家庭に牢屋なんて作らないだろう。
それに“ここの住人”は日本語を喋っていてどうも違和感を感じてしまう。
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