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「さあ」
祐介は興味なさそうにスマホをいじる。俺はおや、と違和感を感じた。女子のこととなるとすぐ話にのってくる奴が珍しい。
「お前、年上好きじゃなかったっけ」
「馨、お前俺をなんだと思ってんの」
「ナンパ野郎」
「ちげーよ、俺は色んな人と話したいだけ。そんな節操なしじゃねーよ」
祐介が苦笑しながらスマホをカバンの中にしまい、俺が出したコーヒーを啜った。
「しかも相手いそうな人ならなおさら」
「は?」
何言ってんだこいつ、というトーンで聞き返すと祐介がカップの中身を見つめながら言った。
「あの人、相手いるだろ。俺、負け戦はしない主義」
「いや知らないけど」
こいつの思考回路は長い付き合いの俺にもよく分からない。でもこいつは色恋事に関しては昔からなにかと鋭い。俺と聡美との件もこいつは真っ先に気づいた。誰にもバレないと思っていたのに。
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