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「――で、何ですかこの状況」
昼休み、大学のラウンジのテーブル席で俺はやれやれとでも言いたげな表情の祐介に問いかける。敬語なのは、にこにこと愛想よく昨日のミスコン先輩が同席しているからだった。
昨日のバイト終わり、スマホを開くと祐介から一件のメッセージが来ていた。メッセージの内容は『明日の昼休み、法学部の八号館ラウンジに来てくれ。すまん、頼む』。
別に特に用事もないし、ということでラウンジに向かうとこの二人がすでに待機していた。そういうわけで俺はここにいる。
ミスコン出場者、つまりは学内の有名人と同席しているからか、さっきからちらちらと周りの視線がこっちに向いているのが分かる。
居心地悪さここに極まれり、だ。
「馨のこと気に入ったんだってさ」
「……はい?」
「ちょっとちょっと、語弊がある言い方やめてくれないかしら」
真波先輩が笑顔のまま祐介をたしなめる。笑顔のお手本のように完璧な笑顔だった。
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