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「というわけで、すみませんがよろしくお願いします」
「あら、むしろ大歓迎よ」
カフェ・メープルで俺が事情を説明すると、観月さんはあっさりと笑顔で快諾してくれた。
俺がカメラマンを引き受けるのに出した条件は、『カフェ・メープルのバイトを優先させること』。ミスコンがどれだけ忙しいのかは知らないが、これだけは譲れない、と自分の中で決めていた。
それを伝えると真波先輩はカフェ・メープルにたまに来ていいかと逆に尋ねてきた。どうやらあの喫茶店を気に入ったらしい。
「バイトは絶対優先するので」
「ふふ、律儀ね馨くんは」
それにあの子が来てくれたおかげでいいこともあったのよと観月さんが上機嫌で言った。
「あのステンドグラス席訪ねてくるお客さんが増えたの」
あのステンドグラス席。一輪の赤いバラが中央にガラスで繊細に描かれ、周りを水色や白、薄い黄色など色とりどりの透き通ったガラスで囲まれたアンティーク調のステンドグラス窓の横のソファー席だ。
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