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そこから二週間後の学園祭のミス・ミスターコンテスト。真波先輩の結果は準グランプリだった。
つまり、二位。
「あーあ、惜しかったな。でも炎上してた割に頑張った頑張った」
またあのカモミールティーお願い、と注文しながら真波先輩がテーブルの上に突っ伏した。
「お疲れ様です。綺麗でしたよ」
実際に当日のステージを祐介と見に行った時の先輩は綺麗だった。ファイナリストが着る、純白のウエディングドレスが艶めく黒髪と透けるような白い肌によく似合っていたことを思い出す。
「……馨くんってさ、天然タラシ? 平然とそんなこと言えるなんて」
「まさか。そう思ったから素直に言っただけです」
先輩は呆れたような目を俺に向けてため息をついた。
「罪でしょ、この子」
「罪深いですねこの男」
いつの間にやらそばを通りかかった観月さんと先輩が顔を見合わせて苦笑する。
「なにが」
「だから、そういうとこよ」
さっぱり分からない、と顔をしかめて見せると先輩は「まあいいや」とぼやいて淹れたてのカモミールティーを啜った。
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