パンとクローバー

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******* 河原に降りる道へと向かって3人で歩いていると、ココネさんがそういえば、と首を傾げた。 「四つ葉のクローバーって、見つけ方とかあるものなんですか? 偶然見つかるものだと思ってました」  あるかどうかも探してみないと分からなくて、探しても見つかるかどうか分からない、不確実なもの。葉の枚数は三つ葉のものが大半、四葉にはめったに出会えない。それがクローバー――シロツメクサだ。 「確率論ではあるので確実にとはいきませんが、見つけるコツならありますよ」 「そんなものがあるのか」  お爺さんとココネさんが目を見開いた。なんだか親子みたいに反応が息ぴったりに揃っている。 「努力して探さなきゃいけないのは変わりませんよ。あくまでもコツですから。でもだからこそ、頑張って探す気持ちと労力も込み込みで素敵な贈り物になると思います」 斜面に作られたちいさな小道を踏んで、俺たちはシロツメクサの群生する土手に降り立った。 「じゃあここら辺で探しましょう」 「え、もうここで探すのかい? 」 道から降りてすぐしゃがみこんだ俺に、お爺さんが不思議そうな目を向けてくる。 まだまだ奥にあるのに、なぜここでと言いたげだ。
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