パンとクローバー

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「で、違いは」  身を乗り出すような勢いでこられて、俺はちょっとだけ怯んだ。  この子って、こんなにぐいぐい来る子だったっけ。 「四つ葉は世間でよく言われてるみたいに花言葉は『幸運』なんだけど、三つ葉になると『約束』と『復讐』になるって言われてて」  復讐、とココネさんが俺の言葉を繰り返す。 「だから四つ葉、絶対に見つけねえとなこれは、って思っただけ」  三つ葉だと恐ろしい意味になるとか、そんなことは言う必要はない。俺は何も言わず、贈り物探しを全力で手伝うだけだ。『幸運』の言葉を持つ葉っぱを探して。 「お爺さんには内緒な、君と俺だけの秘密」  四つ葉見つかりゃいい話だからさと軽く言ってみせると、彼女は俺の目をじっと見たあとこっくり頷いた。その目にまた、緑色の色が一瞬光る。 「君の目さ」 そう切り出すと彼女はふっと目を伏せた。 「カラコンじゃないですよ」 「え?」 「目の緑色ですよね」 断定するような口ぶりに、この子は何度も同じことを言われてきたのだという事が伝わってくる。しまった、と思った。
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