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「ま、すでに一役買ってくれてるわけだけど」
俺の言葉をさらりと聞き流して、観月さんが呟く。
「すまないね、こんな忙しいときに店員さんをお借りしてしまって」
申し訳なさそうにするお爺さんに観月さんがいえいえと手を横に振った。
「ステキな贈り物探しの方が大切ですよ。こちらこそ手伝わせてくださって、ありがとうございました」
そんでもって、と言いながら観月さんがカウンターの後ろに回る。戻ってきた彼女の手の上のトレーには、3人分の軽食が乗っていた。
「クロックムッシュです、どうぞ。コーヒーも淹れたので、ぜひ皆さんで『一緒に休憩してください』。その間に四つ葉のクローバーの押し花しおり、作っちゃいますから」
俺にも視線をくれながら言ってくれたのは、俺にも休憩するようにという意味だろう。3人分の軽食がそれを物語っていた。お爺さんからクローバーを受け取った観月さんに、俺は席を立って声をかける。仮にも俺は今バイト中なのだ。
「いや、俺」
「休みなさい?」
「……はい」
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