ホットココアさんとホトトギス

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「『好きな奴に好かれなかったら意味ないんで』か。いやあ名言名言」  講義室に着き、さっきのセリフを真似て祐介がくり返す。それを無視して時計を確認すると、講義まではあと五分だった。勢い任せの巻き返し歩行が功を奏したのか、講義にはなんとか間に合ったのだ。 「祐介この講義取ってたっけ」 「一緒の講義取ろうって計画したじゃん失礼な」 「よく言うよ、前期からずっとこの講義お前いるの見たことないぞ。どうせ飯アポにあぶれたか出席単位危うくなったから来たんだろ」 「ばれたか。サボりすぎて単位そろそろやばいかなって、飯アポは泣く泣くキャンセルよ。今日は女子大美女とのランチの予定が入ってたのに」  俺の高校時代からの友人、祐介はどこのつてか分からないが、たびたび女の子や年上の女性とご飯に行っては講義をサボる。ブラウンに染めた髪、その整った顔、その行動では世間一般で見れば完全に『チャラ男』の分類に入る。
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