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カモミールとリンゴ
「あれ、スマホめっちゃ熱くなってきた」
祐介がいつものカフェ・メープルのカウンター席、俺がサイフォンでコーヒーを淹れている前でぼやく。目の前でスマホの画面をひたすらスクロールしている奴に、俺はわざと呆れた目を向けた。
「スマホ使いすぎだろ。熱くなった時ってスマホに負荷かかった時って言うよな」
「あー、そうそう。それでこの前データ吹っ飛んだ」
どうやら実害が出ていたらしい。そんでお前どうしたの、と聞くと祐介はぱっと顔を上げて目を輝かせた。
「それがさ、凄えんだよ観月さん!」
「は?」
なんでここで突然店長の名前が。脈絡が全く分からず、俺は素っ頓狂な声を出してしまった。
「スマホバグっちゃってさ、それ愚痴ってたら観月さんがちょちょって直して返してくれた」
凄えよあの人機械強いんだな、そう言う祐介に俺は確かに、と思い出した。
カフェ・メープルのメニューの決め方についてだ。
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