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「なんだ、このガキ」  コンビニのバイトが終わって帰宅したオレを、頼みもしないのにアパートの玄関先で迎えてくれていたのは、見たこともないガキだった。  ガキと言っても、高校生くらいか。  雨が降っているというのに傘を持っていないのか、全身びしょ濡れで玄関扉の前に座り込んでいる。  しかも、寝入っている。  オレが目の前に立って足で軽く蹴っても、顔すら上げない。  微かに聞こえるのは、もしかしなくても寝息だろう。  人様の玄関先で、びしょ濡れで、よく眠れるよな。  今日は結構寒いし、風邪でもひいてしまうのではないだろうか。  オレには関係ないけど、と言って素通りできたら良かったのだが、困った事にそうも言っていられない状況にある。  テコでも動かなそうなそいつが寝ているのが、オレの部屋のドアの前なのだ。
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