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「いいのか?」
「うん。珍しいでしょ、こういうの」
真綿を包むように、そっと触れる。つるりとなめらかな皮膚の上に、ゆっくりと指を這わせた。
「……こんなこと言ったら不謹慎かも知れないけど、」
口に出すのは、一瞬躊躇った。しかし、感じたとおりを正直に伝えようと思った。
「丸っこくて、可愛いな。これ」
僕の言葉に、貴裕が目を大きく見開いて一瞬真顔になったと思ったら、くしゃりと顔を歪めた。しまった、言わなきゃいいことを言った、と思って、触れた手を離そうとした瞬間、上から強く手を握りしめられた。
間近で顔を見つめられる。貴裕のもう片方の手が伸びてきて、頬を撫でるように触れられる。そのまま唇が重なってくる。
前のとは全然違う、食われてしまうんじゃないかと思うような激しいキスだった。片手で頭を固定されて、逃げられない僕のくちびるを舌が強引にこじ開け、好き勝手に動き回っている。
そのまま舌を執拗に絡められ、くちびるを強く吸われて、唾液が口の端から漏れるのもお構いなしだ。喉が鳴り、身体じゅうがが震え出す。
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