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「うわっ!」  驚いて、この場にそぐわない素っ頓狂な声が上がる。硬く張ったペニスを口に咥え込まれ、身体が仰け反った。自分で触るのとは比べ物にならない、泣き出したくなるような感覚だった。  貴裕の口が上下に動く。舌で舐めまわされたり、先端を突かれれば、抗うことさえできずに沸点まで達しそうだった。 「……離せ、……出る、からっ」 「いいから、出して」  嫌だ、と叫ぶ僕の声などお構いなしに、窄めた口に一際強く吸い付かれた。ああっ、と上ずった声をあげて、僕は弾ける。  何度か訪れる射精感の度に、貴裕の舌先が先端を舐め、それがまた激しく感じた。全部出し終えてやわらかくなったそれを、愛おしむようにくちびるが這い回る。 「気持ちよかった?」  耳許で囁く声が、嬉しそうに弾んでいた。髪を撫でられる。苦いキスが幾度となく降ってくる。  恥ずかしさと申し訳なさとで何も答えられない僕の目に浮かんだ涙を、貴裕のなまあたたかい舌がちろちろと舐め上げた。 「蒼一さん、可愛い。大好き」  そう言って目を細めながら、まるで煽るように、貴裕の指先が僕の身体を這い回る。どこに触れられてもぞくぞくとしたあまい痺れが全身を駆け巡り、身体の奥底から、震えた。
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