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「……うふふっ、ふふっ…あははははっ」
『おい……もうこんな臭い芝居ごっこやめよーぜ?』
「だめ!私の将来の女優人生がかかってるんだから!!」
『こんなぬるい芝居で女優になんかなれるかよ!!』
そんな素敵な雪の日から10年…
あの彼女も、今では月9の主演を飾るほどの人気女優に成長した。
「ねっ!私、女優の素質あったんだから!」
そして、10年後の今でも
しっかり2人で初雪を眺めている。
『これから何年先も、俺と一緒に初雪を眺めてくれないか?』
ふ、としたプロポーズ。
彼女はこういうのが好きだから。
「えっ?なに?今度はあんたも俳優志望なの!?」
『ちがうよ……ガチで言ってんの。』
そしたら彼女は演技じゃなく、本気の嬉し涙で
「やばいね、たまんないね!」
そう言って近くの雪を握って、俺の顔面に投げつけた。
それは彼女なりの精一杯の照れ隠しだった。
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