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「……私が写真撮る理由、知ってますか?」
『……風景が好きだから?』
「…違います。……冷えてきましたね、温かいコーヒーでも買ってきますね!」
『俺が行くよ。……えっ?』
彼女は、その時とても儚げな表情で泣いていた。
「…先輩…ごめんなさい。
私、もう長くないんです。」
『長くないって?』
「私…もうすぐ死ぬんです。」
『は!?何言ってんだよ…変な冗談やめろよ。』
「だから、先輩とこうして初雪を見られるのも、今日でもう最後なんです。」
『なんだよ…それ…』
「だから、私、死ぬって聞かされた日から写真撮ってきたんです。先輩との毎日を写真で記録してたんです。」
『………本気なんだ?』
「私…嘘つきませんよ?」
気づけば俺も涙が止まらなかった……__。
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