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B「キミ、何を撮ってるの?」 A「ご、ごめんなさい。あなたの写真を……」 B「い、いや、気にしないでよ。撮ってもらえて光栄なくらいだ」 A「そう言ってくれると嬉しいです」 B「こんな山の中、ひとりきりで撮影なんて熱心だね」 A「ええ、真っ白な雪の中で出会う光景は何物にも代えられません」 B「それにしても寒そうだよ。大丈夫?」 A「うくっ……ちょっと無理しすぎたかも」 B「ほら、手袋もなしで……指先なんて凍りついたように冷たいじゃないか」 A「ごめんなさい。あの、少しだけ……あなたの胸で……」 B「え……ああ、いいとも」 A「ふう、暖かい……」 B「ウグッ!」 A「ありがとう、またいい写真が撮れます。凍てつく汚れなき純白と、燃えたつ血潮の深紅。生と死のコントラスト……私にとってこの上ない被写体」
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