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それから、安藤と俺は顔を合わせれば世間話をする程度には仲良くなった。
安藤は大職員室では有名だった。
毎日苦手な数学の質問をしに数学教諭のもとを訪れている。
礼儀正しく、他の教諭に頼まれごとをされても嫌な顔一つしない。
何より、彼女の成績は学年トップ。
それなのに、彼女は自分のレベルより下の大学を志望していて、進路指導では戦いらしい。
お人形はカナちゃんと言って、安藤の親友で、二人は何をするにも一緒らしい。
これは、安藤から聞いた。
「カナちゃん可愛いから、気になるでしょ」
「いや?俺は清楚系が好みだし」
どちらかと言われば安藤の方が好みだ。
むしろストライクゾーンど真ん中だ。
でもこの時は、俺はまだ自分の気持ちを自覚していなかった。
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