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レセプションが終わり、関町が龍之介の部屋へと送ってくれる。
「関町、腹にはまだ余裕があるか? 」
「あ……、そうですね」
お腹の具合を見るように撫でている。
「これ、食えよ」
「わぁ、エクレア。綺麗な緑色のクリームですね」
それを手に取ると高く掲げて眺めている。
「食べてみろ」
「はい」
大きく口を開いて一口。直ぐに顔がふにゃりと緩む。
「はうぅ~」
口の端にクリームをくっつけて、蕩けるような笑みを浮かべる。
「ついているぞ」
自分の口の端を指でたたくと、気が付いたようで真っ赤な唇がそれを舐めとった。
思わずその仕草に目を奪われて、すぐに我に返り視線を外す。
「はぁ、美味しかった」
ウットリとした声でそう呟き、
「龍之介さん、御馳走様です」
と両手を合わせた。
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