Bonheur

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「これ、何で出来ているんですか」 「エクレール・ピスターシュ・ノワゼット。ピスタチオのクリームの中に細かくしたカシューナッツを混ぜたものだ」 「そうなんですね。ピスタチオのクリーム、初めて食べました」 「ついてるぞ」  口の端についたクリームを舐めとる。 「うん、流石、俺。美味……、ん」  唇を重ね、舌が絡みつく。 「はぁ、龍之介さん」  甘い。  とろけてしまう。 「お前が俺の菓子を食う姿がすげぇ好き」  美味そうな顔をするからと、唇を撫でる。 「美味しいですよ」  また唇が触れ合う。 「はぁ、大雅、キスだけじゃ足らねぇ」 「俺もです」 「もっと良い顔、見せろよ」 「はい」  スーツを床へと脱ぎ捨てると、 「しわになります」  それを拾い上げてハンガーに掛けていく。意外と細かいなと、それを邪魔するようにキスをする。 「ん、駄目ですって」  でもキスをすることはやめない。 「クリーニング出すんだから、良いよ」  ネクタイを外し、シャツのボタンを外すと、関町はあきらめたかため息をついてそれを床へと落とした。
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