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「姉さんっ」
二人の間で何を話されているのか、考えるだけでも頭が痛くなりそうだ。
「ちなみになっちゃんもでーす」
てへっと可愛く小首を傾ける。
「そうなんですね。いいですね、親子で同じ趣味って」
「でしょっ」
「おい、違うだろ。俺らは良いエサなんだぞ」
天然かよと関町の頭を叩く。
「え、でも、家族に祝福されるなんて嬉しい事じゃありませんか?」
確かに家族の理解があり、しかも応援してくれるのだ。
しかも、素でそんな事を言える恋人に、龍之介の胸がきゅんと音をたてる。
「あぁ、その通りだな」
「でしょう?」
「本当、関町君はいい子ね」
清美が二人を抱き寄せる。
「お姉ちゃんは二人の味方だからね」
「ありがとう」
自分は恵まれている。
夢を追わせてくれた家族、そしてこんなにも愛してくれる恋人がいるのだから。
二人を愛おしく見つめ、そして微笑んだ。
【了】
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