Un rhume

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 朝から少し喉がいがらっぽい。  会社にいく途中でコンビニに寄ってのど飴を買っておいた。 「おはようございます」 「おはよう、関町君」  清美はナツメと一緒に家を出る為、いつも来るのが早い。 「清美さん、昨日素敵なプレゼントをありがとうございました」 「良いのよ。どうだった?」 「すごく良い時間を過ごせました」  料理が美味かったこと、ケーキを出してくれた時に誕生日のお祝いの言葉を貰った事、そしてキスした事を話すと、キャーキャー言いながら清美のテンションが上がる。 「やるわね。キスを奪うなんてっ」 「柔らかくてー、大人の味がしました」 「やだっ、関町君たら」  背中をおもいきり叩かれる。 「き、清美さん、痛いですぅ」 「ごめんねー。つい」  手を合わせて小首を傾げる仕草が可愛くて、大丈夫ですと首を横に振った。 「関町君って、期待を裏切らないわぁ」 「期待ですか?」  何に対してだろうと小首を傾げる。 「あ、こっちの話し。龍って仕事人間だから、少し強引に攻めないと意識しないし」 「そうなんですね。じゃぁ、遠慮せずにがつがついきます」 「いいわぁ、ワンコは肉食じゃなきゃね」 「わんわん」  ふざけて吠える真似をすれば清美が楽しそうにきゃっきゃと声をあげながら手を叩く。  職場の人にワンコみたいだと言われることはあるが、清美は本当にペットだと思っているのではないだろうか。  まぁ、美人で優しい飼い主は嬉しいけれど、どうせなら龍之介に飼われたい。 「また何か切っ掛けを作ってあげるから、頑張りなさいよ」 「はい」  清美は強力な味方だ。その時は宜しくお願いしますと手を握りしめた。
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