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 桜田は相川の旧友たちに話を聞くことにした。  石川県に住んでいる前田って男、相川とは中学時代に野球部で一緒だった。  前田に電話をした。 『釣り?相川は魚触れなかった、やらないと思うよ』 「触れない?」 『ミミズが触れなかったからだったと思う』  釣りをするからっていって『Catfish』なんて書くだろうか?  何度かやったことあるが、魚の名前なんてイチイチ書かない。技術を書くのなら理解出来る。  まぁ、もしかしたらコレクター癖があって釣った魚を記していたってことも考えられるが。  相川宅には釣り竿や餌はなかった。  レンタルってことも考えられる。 『相川がどうかしたんですか?』 「殺されたんです。相模湖で首が見つかったんです」 『え!?知らなかった!何でだ?誰がそんなこと!』 「報道規制されていましたから」 『アイツはな?昔、イジメに遭っていたんだ。それで刑事になったんだ。アイツは殺されるような悪いことをする人間じゃない』  人間じゃない、獣ですか?魚ですか?社畜ですか?『社畜は余計なこと考えなくていいんだよ!』  桜田は悪夢を思い出した。  
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