act.02

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 叫び出しそうになるのを堪え、死にきれなかった恥ずかしさを心に刻みながら、何も感じず何も思わず、自分をごまかし生きていく。もういい加減そんな生活に慣れてきたはずなのに。  ── 自分は今、泣きたいのかな。  尋はそう思ったが、涙は出てこなかった。  人というものは、あまりにショックなことに出会うと、涙も出ないという。  あれ以来尋は、泣く方法を完全に忘れてしまっていた。  ── バカバカしい。  尋は、涙の代わりに薄っぺらな自嘲の笑みを浮かべる。  ── 今更泣いて、何が変わるというんだ・・・。  喉から絞り出される笑い声は、まるで嗚咽のようだった。
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