act.04

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 海の訳の分からない大いばりの声を聞いて、尋は密かに笑みを浮かべた。 「しろよ。どんどんしてみろよ。できるもんならな。電話代かさむぜ」 『あっ、きったねぇ~なぁ。んじゃ、もう電話切るぜ』 「ああ」 『んじゃ、明日な』 「ああ」 『少し早いけど、おやすみ』  そう言って電話は切れる。  ── おやすみ・・・。おやすみ、か。  尋は口の中でそう呟いて、ふっと鼻で笑ったのだった。
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