0人が本棚に入れています
本棚に追加
ショウさんからはちょいちょい連絡が届いた。「とても寂しい。誰かとくっつきたい」とメッセージが届く。片っ端から送ってるんだろうなと伺わせる内容だった。女同士じゃ埋まらないのに、男だったらメッセージ一言送れば、いろんな女とくっつきあうことが出来る。人によるけど軽くなろうと思えばなれる。
どうして自分は女なんだろう。
男が憎い。ずるい。羨ましい。
それでも、女同士だって、男の踏み込めない友情があって、続くものがあるはずだって。『その瞬間』が来るまでは希望を持っていた。一緒に暮らして遊んで『男』には話せない悩みや愚痴を共有して。『男』はころころ変わっても『友人』は別れたりがない。ずっと一緒。そうでしょ?だから長い目で見たら女同士だって、女同士の方がーー。
「赤ちゃんが出来ちゃってね。結婚して一緒に暮らすことになったんだ。近いうちに引っ越すわ」
今までありがとうね。と彼女は悪びれもせずに笑う。出産後には彼の転勤についていって海外で暮らすらしい。
何もかも『男』に奪われる。もう涙も出なかった。私も静かに笑顔を作り、彼女に返す。
「おめでとう!幸せになってね」
最初のコメントを投稿しよう!