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目を覚ますと俺は、身体を硬直させたまま狭苦しい空間に横たわっていた。後頭部と背中が痛い。
霞がかかる視界の中、足元には人間の背丈ほどのウサギが立ち、こちらをじっと見つめていた。
ウサギは突然足をバタバタと動かすと、「時間がない」と言った。
起き上がろうとはするが、まるで床に縛り付けられたように俺の身体はビクとも動かない。
悪い夢でも見ているのだろうか。
目玉だけで辺りをうかがうと、どうやらここは森の中のようだ。しかしそれは木漏れ日あふれる柔らかな緑色ではなく、ごちゃ混ぜの色をした硬い茶色をしている。
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