ー急げ!ー

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   せわしなく足を動かし続けるウサギがまた「時間がない」と言うと、俺に向けて液体の入った小さい小瓶を投げてきた。 ーーぶつかる!   と目をつぶった瞬間、俺はそれを手で受け止めていた。  その小瓶は妙な緑色をしていて、表面にはまるで異世界生物の体から流れ出た体液のようなおどろおどろしい文字が書かれていた。  嫌な予感がする。これを飲めというのか。飲んで身体がみるみる巨大化したり、一気に芋虫ほどにもちっちゃくなってしまうなんてことはないだろうな、などと痛む頭で考えている間も、うさぎはバタバタと足を踏み鳴らしながらせわしなく時計を見た。
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