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時計の針は午前七時を指している。食卓にはすでに朝ご飯が用意されていた。いつものように、リモコンでテレビをつける。トーストを口に含み、ホットコーヒーで流し込む。なんの変哲もない、ありふれた日常の中に、僕はいる。なんの変哲もない、日常の中に?不自然なものは、この場に何ひとつないと、どうして確信できるのだろう。なぜ今、そうわざわざ考えたのだろう。ふと、キッチンにいる母に話しかける。
「母さん、なんだかすべて、変な感じがする」
母はあいまいな返事をして、家事に戻っていく。
「だって、トーストもコーヒーも味がよくわからない」
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