「彼」という存在

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私はひとまず学校へ連絡を入れた。 「…はい、…はい。…なので今日はちょっと…。はい、よろしくお願いします。」 と、私は学校へ体調が悪いと嘘をつき、学校を休むことにした。 まして、こんな事が起きてはたとえ学校へ行っても集中ができないと思ったからだ。 「えー…っと、どうすればいいのかな?」 道の真ん中で倒れている彼をそのままにしておくことはできず、とりあえず部屋へ運び(私1人でも持ち運べる軽さだった。)ベッドへ寝かせている。 やっぱり、警察に連絡を入れるべきなのだろうか…。 しかし、警察にどう説明すればいいのか分からない。 「空から人が降ってきましたって…、信じてもらえないよね…」 私はこの状況をどうするべきなのか迷いながら、ため息をつく。 「ん…」 と、どうすればいいのか悩んでいると、ベッドのほうから声がした 少しずつであるが、彼が瞼を開けた。 「つ、九十九くん?大丈夫?」 と、声をかけてみる。 彼はゆっくりと起き上がり、辺りを見渡しつつ、私のほうを向き、 「『つくも』とは僕のことでしょうか?」 と、私に問いかけた。
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