喫茶店のおばさん

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僕は勉強が嫌いだ。けれど、大学受験が控えている。勉強しなきゃと思っていても漫画に気をとられてしまう。「勉強してるのー?」母さんの声が響いた。「してるってうるさいなぁ」結局勉強せずに1日過ごしてしまった。やばい。勉強場所が悪いと思って勉強場所探しに出かけた。はじめに行ってみたのは図書館。静かで集中できる!と思っていたら、寝てしまった。「閉館時間ですよ」図書館員に起こされ結局ほとんど進まず、、、。次に行って見たのが家の近くの喫茶店。メトロな音楽が流れていて、いつもよりも勉強に集中しやすかった。それに、喫茶店のおばさんがただでドリンクをくれたり、気軽に話しかけてくれて色々、相談もできて、毎日そこに通うことにした。切磋琢磨勉強して、大学は無事合格!入学手続きや、親戚の挨拶でなかなか時間が取れず、おばさんにお礼を言うのが2ヶ月後と随分遅れてしまった。おばさん元気かな?そう思ってドアを開けたら、若いお姉さんが立っていた。「いらっしゃい。あ、いつもきてた子?お母さんから聞いてるよ。大学受かったって。おめでとう。お母さんすごい喜んでたよ。」おばさんが死んでしまったのだとわかった。最後にお礼言いたかったな。おばさんはもともと体調が悪く、病気が見つかって何日もお店を休業していたらしい。けれど僕が来たことでお店を休むのが申し訳無く思ったのかな?「けれどね、あなたが来てくれるから張り切ってたのよ。お母さんが死ぬ前にいい思い出を作ってくれてありがとう。」僕はお線香をあげて家に帰った。この経験で言葉の必要さがわかったような気がした。おばさん、ありがとう。
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