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肩を押さえた一人の男が容赦なく胸倉を掴んだ。俺は臆することなく眼光鋭く睨み付けた。
するとガヤガヤしていたはずの辺り一面に空間が開く。思いっきり喧嘩できると思ったその時、パンパンと2拍手する手があった。
「おーい、こんなとこで喧嘩すんな~周りの迷惑だろ~?」
話し方と身なりが合っていない。呆気に取られていると「お前も来い」と言って連れて行かれる。
連れて行かれた先はどこからどう見てもだった。
「お前さー失恋でもしたワケ?」
初めてみる黒色で統一された室内はなぜか高級感が漂っていた。
「え?」
この空間に驚いているところにそんな言葉を投げかけられれば、どう返答していいか分からない。
「しかも男だろ?」
何も答えなかったのだが男は的確に心をえぐる。
「お前、俺と同じニオイすんだよ」
ニカっと笑ったかと思うと「歳は?名前は?」と聞いてきた。21で雅也と答えると、
「おっし合格!今日からここで働け!」
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