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番外編 クラブ晃
――あんなふらついた足取りで大丈夫かよ?
と止めなかった俺も俺かと自嘲の笑みを浮かべた。今日の雅也はちょっと変だった。ハイペースで酒を空け、何かに取り付かれたように飲み進めた。気が付けばあの状態だった。
嫌なことでもあったのかと思ったが、ふと思い当たる。
――もしかしてあの客か…?
以前、自分の好きなヤツが女といるとこを見てしまったと相談を受けた事がある。さっきの女がその女だとしたら合点がいく。
内ポケットから煙草を取り出すと火をつけ大きく吸い込んだ。
今頃その男の元を訪れてんだろうなーと勝手な想像を膨らませると、
――俺もお前みたいに自分の気持ちに正直になってればなぁ…
と長く長く煙を吐いた。
end
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