0人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
ヘイダル
辰巳龍臣は富士の湯にいた。
若松駅からほど近い。
タオルを買っても500円、良心的だ。
ジェットバスに薬湯、露天風呂は南国をイメージして爽やかだった。
坊主頭の男を鉈で殺害した。
ヤクザだったらどうしようとヒヤヒヤしたが、住職だったから良かった。
液体窒素を手に入れた。
防弾ガラスをブチ破ることが出来る。
風呂から上がり駅に戻った。
新津駅行きの列車に乗り込み、喜多方を目指す。
車窓からボンヤリと夜の灯が見える。
喜多方につきゲンナリ、あまり店がない。
ラーメンの街ってイメージがあったのである程度都会なのかと思っていた。
覆面パトカーが近づいてきた。
液体窒素で防弾ガラスをぶち破った。
「ウワァァァッ!」
隠し持っていたファイアセブン・タクティカルの引き金を弾いた。SASから奪った物だ。
ダブルタップ(2連射)でもコントロール性が落ちない。しかも、アサルトライフル並みの貫通力がある。装弾数も20発。
まだ残り18発もある。
2人組の遺体を調べた。中年と若者、どことなく寺尾聰に似たオッサンがファイルを手にしていた。
警察手帳を調べた『福島県警捜査課・警部・加藤圭介』
ファイルにはハエ型ロボが映っていた。
ヘイダルって名前らしい。
イスラムで獅子を意味する。
この加藤って男、下等な奴ではなさそうだ。
キヨスクのオバちゃんに飯処の地図をもらった。
腹が減っては戦は出来ぬ!
キヨスクのオバちゃんを撃ち殺した。
残り17発。
雪が再び降ってきやがった。
駅に戻ると『強風で列車が大幅に遅れています』と放送が入った。
ベンチでサラミをつまみに缶ビールを飲んだ。
漸く列車がやって来て若松駅に戻った。
駅ナカのラーメン屋で『イタリアン風カルボナーラ風ラーメン』を食べていると終電が行ってしまった。
「クソッ!」
思わず地団駄を踏んだ。
半沢一之のことを思い出した。
中3のときの担任で生ゴミ以下の野郎だった。
竹刀で殴られたり、無意味なテストをされたり、友達の蓮なんか教室出パンツを脱がされてしまった。
日光で偶然見かけたときは死神に感謝したものだ。周囲は闇でおまけに誰もいなかったから轢き殺してやった。
タクシーもバスもダメだった。
カラオケを宿代わりにすることにした。
『ペッパー警部』を歌っていると銃声が響き、辰巳は蜂の巣になった。
最初のコメントを投稿しよう!