二本松の戦い

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二本松の戦い

 メチャクチャ美人な死体を見つけた。 『スケッルス』とメモには残されていた。  スケッルス(Sucellus)は槌(死と復活の象徴)と盃(富の象徴)を持つ、森と農業の神。アイルランド神話のダグザに対応すると考えられる。  すぐ近くにいるのかも知れない。  二本松っていうから、福島県の二本松かと思われただろうがそうではない。  二本松マサオは『殺戮ゲーム』の参加者だ。  マサオは腕はいいが問題ばかり起こし、上司の柳澤警部からも見放された横浜署の刑事だ。  東京からやってきた幼馴染のタカシと再会するが、その夜にタカシが殺害される。  タカシはマサオとは正反対の道徳心のある弁護士だった。『殺戮ゲーム』の参加者に始末されたに違いない。  タカシの仇討ちを決意したマサオは、犯人を追って単独で品川に乗り込み、昔馴染みの原田ナツキに接触する。マサオは、タカシがナツキの紹介で古美術商の高柳に雇われていたことを聞き出し、高柳に会いに北鎌倉まで行くが一蹴され、彼の通報で駆け付けた鎌倉警察署の捜査員に逮捕される。  連行されたマサオは北畠警部補から勝手な行動を起こさないように釘を刺されて釈放されるが、尾行の南郷と東田を振り切り、高柳の倉庫に潜入する。  倉庫から戻ったマサオは、尾行役の南郷、東田を連れてストリップ・バーに向かい高柳が犯罪行為を行っていることを伝えるが、そこに怪しい2人組の男が現れる。 マサオは一方の男に近付き、銃を手にした男を取り押さえる。2人組の強盗犯を逮捕したマサオは北畠に事情を聞かれ、「南郷と東田が強盗を逮捕した」と嘘を伝えるが、規則を重視する南郷は正直にマサオが逮捕したことを報告する。  北畠は東田と南郷を尾行から外し、マサオに再度警告する。 「最悪の場合、おまえ殺すぞ?」  翌日、マサオは新しい尾行役を振り切り再び高柳の前に現れ、タカシの仇を討つと宣言する。 「ゲス野郎、化けの皮を剥いでやるからな?」  横浜署に戻ったマサオは、柳澤たちに高柳が麻薬の売買を行っていることを伝え捜査協力を求めるが、「令状を取るには証拠が足りない」として断られてしまい、騒ぎを聞きつけた黒澤署長から謹慎するように命令されてしまう。  マサオは南郷を説得して仲間に引き入れ、ナツキを含めた3人で高柳の倉庫に向かう。    そこで美女の死体を発見したってわけだ。    
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