彼女と邂逅した彼は、彼女のことを好きになった

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 そして今現在、樹海に行く自殺志願者があとを絶たないどころか、増えていた。  それは、僕という存在がネット上で公開されたから、らしい。    正直、どうでもいい。  その人が生きようが、死のうが、僕の人生が変わることはない。せいぜい、自殺志願者にしか利用されない程度の存在、存在だ。存在だった。    ある日、僕の人生には、存在には変化が訪れた。    「こんにちは……、人殺しさん……」    樹海に、僕とはあまり歳が離れていない――十五歳程度の少女がそこにいた。    少女は、彼女は僕の目の前に立っていた。  彼女の瞳は暗くて、暗くて、闇夜に埋もれてしまっている、そんな瞳をしていた。  髪もボサボサで、さらに手足には擦り傷と思われるような怪我をしていた。  そんな彼女が僕の目の前に来て、僕に話しかけた。  そして、僕はある疑問を抱いていた。    「……なんで僕の目の前に立っているのに、死なないんだ?」    それに、呆れたように少女は答えた。    「私も、貴方と同じ体質……勝手に人を殺しちゃうのよ」    僕と同じ、人を勝手に殺してしまう人間がいることを知らなかった。  だから思わず聞き返す。    「人を殺せるのか……? 僕と同じで……」       
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