ハル

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潤んでぼやけた視界の先にカフェスペースの入り口からハルの方に向かってくる人影が微かに見えた。ハルはそれが誰かかを一瞬で予想する事が出来た。 潤んだ瞳を擦り、両の目でその人物を見る。ハルの予想は当たっていた。 「ハル…… 大丈夫? 」 その人物は小さくか細い声でハルに声をかけ、目の前の椅子に腰をかけた。 「少しは…… ありがとう、サツキ…… 」 ハルがそう答えるとサツキは安心した様に笑みを浮かべる。その頬はほんのりと桜色に染まっていた。 サツキは相変わらずの容姿端麗な姿だった。綺麗に染まった金色の髪の毛をゴムで束ね、手にはめていた手袋を取ると持っていた鞄にそれを入れた。 「早かったんだね」 ハルはそう言いながら再び目を擦った。 「ハルのためにバイクで飛ばしてきたんだ」 スタイルの良いサツキが颯爽とバイクでここに来てくれた場面を簡単に想像する事が出来た。
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