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「ごめんちょっといい? 風でコンタクトが乾いて…… 」
そう言ってサツキは大きな目をパチパチとして、目を閉じた。ここまでバイクで急いできたせいでコンタクトが乾いたのだろう。
「大丈夫だよ」
ハルがそう言うとサツキは鞄から目薬を取り出し、その青く輝く瞳に目薬を垂らした。
「まだ痛いや、ちょっとコンタクト取るね」
サツキは自分の目からコンタクトを取り出した。ハルはコンタクトを今まで生きてきて一度もした事がないので、その光景が痛々しく感じてしまい目をそらす。
「痛くないの? 」
思わず口にしてしまう。
「大丈夫」
サツキの瞳は夜空の様に綺麗な黒に変わっており、その周りはほんのりと赤く充血していた。
コンタクトを取ったあとサツキは何かを考えるかのように黙り込んだ。
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