ハル

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何となく気まずく重い雰囲気が二人の間にある事は確かだった。ハルはサツキにナツの事を聞きたかったが、サツキの口が開かれるのを大人しく待った。 しかし、ナツの事で話したい事があると言っていたがはたして一体何のことだろうか。正直、サツキとナツはそこまで仲が良かったという印象はない。 サークル活動中に二人が話をしているのを見た事はあるが、それ以外、大学の外や二人で食事などといった事は見た事もないし聞いた事もない。 たんにハルがそれを知らないだけかもしれない。しかし重要なのはそんな事ではない。 一体サツキはナツの何を話したいのかという事だ。 考えれば考えるほど分からない。 そして考えれば考えるほどナツとの思い出が滝の様に頭の中に流れ込んでは私の心を満たしていく。
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