44人が本棚に入れています
本棚に追加
ナツと最後に会ったのはちょうど一週間前。大学近くの飲食店で夜ご飯を食べていた。
その時の会話は今でも覚えている。鍋をつつきながら二人でミステリー小説について熱く語っていたのだ。語っていたといえば響はいいが、実在はナツのミステリー小説論を聞くだけ。
ナツは、ミステリー小説は常にフェアでなければいけない。と熱く語っていた。ハルはそれを黙って聞いた。ナツはミステリー小説について話し出すと止まらなくなる。ナツの話に途中で口を挟むことなどしてはいけない。それはサークル内の暗黙の了解だった。
しかし、熱弁をしているナツについ、少しの反論をしてしまった。それが事の発端になりナツに火を付けた。
ハルはナツの逆鱗に触れてしまったのだ。反論してナツを怒らせたのは二度目の事だった。
最初のコメントを投稿しよう!