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「そうなんだ。 何の相談?」
サツキはそう言ってココアを一口飲む。再びココアの甘い香りがした。
「なんか、サークルを辞めたいらしくて」
「そうなの? 私、こないだフユと電話したんだけどアキの事言ってただけでそんな事言ってなかったよ、他に何か言ってなかった? 」
「いや、何も言ってなかったよ」
先日、フユから珍しく連絡があった。サークル内でハルとフユはそれほど仲が良くない。それにアキの事もあったので連絡がくるとは思ってもいなかった。
フユは直接話したい事があると言った。その様子からハルは何となくフユの言いたい事が分かった。
フユと会ったのは良く晴れた日曜日。その日は連日に比べて暖かかったのを覚えている。場所は今と同じこのカフェスペースだった。
ハルがカフェスペースに着くと、すでにフユはカフェスペースの一角でホットコーヒーを飲みながら何をするでもなくじっと座っていた。
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