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「みんな、バラバラか…… いつからこんな事になったのかな…… 」
ハルは小さな声で自問自答するかのように呟いた。
そしてすぐに沈黙が二人を襲った。今サツキは何を考えているのだろうか。その表情は何かを思い詰めている様に思える。
時間にして数秒の沈黙だったが、ハルには永遠にも感じられた。そしてその沈黙を破ったのはサツキだった。
「ハル、実はね…… 」
サツキの表情は何かを決意した様にも思えたが、再び沈黙が続いた。その沈黙の時間という時が経つにつれてサツキの表情はどんどんと暗くなっていく。
「ごめん、やっぱり何でもない」
ハルはサツキが何かを隠しているのを悟った。しかし、それを問い詰めようとは微塵も思わない。ハルの事を思って何かを隠しているのだろう。それはサツキの雰囲気や表情から見てとれた。
「そっか…… ねぇ、サツキ。今度、海に行こう」
今度はハルが話題を変えた。
どうにかして明るい雰囲気を作りたかったのだ。
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