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大学に設けられたカフェスペースの一角に半田ハルはアイスコーヒーを飲みながら一人佇んでいた。窓からは柔らかい日差しが入ってきている。
この場所は何度もナツと一緒に来た思い出の場所だ。よく講義が終わってからアイスコーヒーを飲みながらミステリーの事について話しあったのを懐かしく思う。
ちょうどこの席からは大学を出入りする学生が見え、その学生を見ながらあれこれと妄想するのがナツとの良い思い出だ。
今年の初春、ナツと出会った。その出会いは映画やドラマでよく見るドラマチックな出会い方ではなく、ただミステリーサークルで出会っただけというありきたりなものだった。
しかし、その出会いすらハルは運命的な出会いに思えた。
それはハルが人生で一度も男性と付き合った事がないからというのも一つの理由だった。
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