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和木アキは常に相手の顔色を伺い、慎重に話す事を心掛けて相手を不快にしないように努めてきた。
それは幼い頃からの癖なのかもしれない。幼い頃に受けた影響は大人になってからもずっと残るという事を何処かで聞いた事がある。アキの両親は厳しかったのだ。
母親は小学校の教師、父親は弁護士。当然厳しいのは当たり前。
その為か小学生の頃は怒られる事が多く、褒められた事を思い出す方が難しい。
アキを怒るのはもっぱら母親の役目だった。
教育現場で働く母親にとって子供を怒るのは日常茶飯事で、学校が終わって家に帰ると挨拶を交わした後はすぐに学校での事を聞かれて、母親の気に入らない事があると怒号が飛んできた。
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